2013/04/24

4.24 アフター・ダーク

わたしは何か描くとき、
ひとつの同じ話を
何度も何度も描いたり、
同じ絵を何度も何度も描いたりすることがある。
この絵もそのひとつ。
絵でなくて、この木。
ある一本の木。
“アフター・ダーク”と呼んでいる。

自分の木、
わたしの木は、これかもしれない。

6年前に初個展をしたときにも描いた。
とわ ず がたり   -TOWA   Z  GATARI


葉の茂みの闇から、木は始まっている。

その闇に吸い込まれそうになる。
闇をみてると、葉が伸びてくる。
白い葉にいつのまにか包まれる。
黒と白が反転し合う。

それを毎回描こうとするのだけど、
絵がおいつかない。
だから、また描く。



アフター・ダークは、
村上春樹の小説から。

村上春樹に狂っていた20代、
ねじまき鳥でショックを受けて、
この人はこれ以上の小説は書かないだろうと勝手に決めつけて、
読まなくなってしまった。
当然、そんなことはなくて物語は続いた。

リハビリのつもりで読んだアフター・ダーク、
光と闇が交換する話。

わたしの木もそれを語ってる。










































2013/04/15

4.14 By This River








風は強いけど、
日差しはあたたかい、四月

緑のこどもたちが 畑でかしこまって並び、
桃色のドレスが回転する
あれはフラメンコ

友だちがふらふらと楽器やおやつを持ってあつまり、
テントを立てる

野の原だ 
ここは

ドリーム・キャッチャーの枝
多摩川の水面
寝ころべば青
川と木と空の三角

少しずつ太陽は傾き、
燃えるオレンジ
音もしっぽがのびて 流れ星
コウモリがうたう


ゆけゆけ、
と、
太陽がわらう


流れよ、
と、
川はいう



その路へ、
と、
月がささやく




多摩に住むようになってよかったと思うのはこんな日。















2013/04/09

4.8 こどくの はんたい



誰もいない
でこぼこ道を歩いてく
からの水筒も
こんなに重いと思うのに
俺の背中に
こだまする人々のあの歌が
喜びの歌じゃない
追放のあの歌
きのうは俺も
いっしょに歌ってた

俺の背中に
こだまする人々のあの歌が
喜びの歌じゃない
追放のあの歌
きのうは俺も
いっしょに歌ってた

こんなに暗く
長い道の真中で
あけてしまった
かんづめを又 ながめ
救われたと信じても
煙草の煙が教えてる
休みの国はまだ遠い
静けさなんてないんだと

まだ聞こえている遠い追放の歌

作詞 高橋照幸
作曲 高橋照幸





“孤独”の反対をずっと考えている。
連帯、団体、家族、、
どれも違うような気がする。