2012/02/17

2.17 流れよ、S.S.M



とても春が近づいているふうにも思えない気候なんだけど、
街のお店には鮮やかな苺がならんで、
ひとあし先に春を告げてる。


季節のものには、その季節をむかえる力があるものだ。
その赤色にそっと力をおすそわけしてもらう。


苺をみると、祖母を思い出す。
甘いものが良いものと信じて疑わず、
祖母が出す苺にはいつも砂糖とミルクがたっぷりかかっていて、
親のかたきのように甘かった。
それがわたしのおやつだった。

幼いころはそれを毛嫌いしていたけれど、
最近はその甘さが懐かしい。
甘さが身体を包んでくれる。

苺を煮る。
少し、甘くして。
わたしはものを煮る音がすきだ。
おいしくなるようにって待っている時間もすきだ。

心臓が、1、2、3、、と数をかぞえはじめる。

窓からこぼれてくる冷たい風も、
風の音も、Sweet Soul Music に変える。