2012/03/11

3.11  生きる/2012.3.11






























日が明けて、3.11になりました。

あれから1年。

奪われた いのち。


残った わたし、

残った あなた。

黒いたまご、白たまご。




小学生のときに教科書で読んだ
谷川俊太郎さんの “生きる”。
この詩が、わたしに問いかける。


“あなたは生きているか?”


きょうは死と生について、
いのちの限り、向き合いたいと思います。
それがわたしが、今、生きていること、だと思うから。

そして3.11のこの日、いのちをなくされた方、
傷ついた方に
こころから追悼の意を捧げます。

まだ傷は癒えていない。
苦しみは終わっていない。
悲しみもとまっていない。

それをかみしめている。


きょう、この日にこのレターを読んでくださった方、
ありがとう。







生きる/谷川俊太郎

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木漏れ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ

そして
かくされた悪を注意深くこばむこと


生きているということ

いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ

いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと


生きているということ
いま生きてるということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ

人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ