[PINA BAUSCH - The Man I love (Gershwin)]
3.11以降、わたしがもっとも観た映像は、
デモの映像を除けば、ともだちのDIRTYさんのblogで知った、この映像。
(DIRTYさんのカーソン・マッカラーズ『悲しき酒場の唄』についての文章も素晴らしい)
観ているだけで涙が出てくる。
切なさとか、美しさとか、それだけじゃなくて、なんていうか、
人間の愛おしさ、みたいなものが、
このふたりの、か細い(たぶん)ダンサーの手をみていると沸き上がってみえてきて、
涙が出る。
3.11以降、わたしはこれを繰り返しみていた。
何に慰められていたのだろう。
きっとそこにある、
ピナ・バウシェとガーシュウィンというふたりが、
互いに響き合い、密やかに織り上げた、
祈りの世界みたいなところにいたのだろうと思う。
わたしには特定の信仰はないけれど、
この曲、この映像を観ていると、
祈り、ということばが浮かんでくるのだ。
愛するもの、愛すべきもの、あるいは何ものかに自分の身を捧げる、
その献身のすがた。
わたしはそこに何か、慰められていたのかもしれない。
わたしは障害を補足する手話というだけでなくて、
物語る手語というのがあると思う。
こんなふうに手で物語れたらなんていいだろう。
わたしの拙いことばのかわりに。